経営者の発想を大切にする 打越会計事務所 UCHIKOSHI ACCOUNTING FIRM
日々のこと

決断を邪魔するもの

2021.1.31

お客様の会社のスタッフから家業を継ぐかどうかの相談を受けました。なかなか「やる」と決断できないということで、足踏みをしないようにするためにはどうすればいいのか、と。なぜ決断をできないのか。その理由を一緒に探してみました。

 

恐れないこと

相談者の家業は食品の製造業。後を継げば、4代目。長年続いてきた事業を自分の世代で終わらせてはいけないという使命感はありつつも、「継ぐ」という決断に至らない状況でした。私としては、やってみればいいと思います。性格的なものでなかなか決断できていないのであれば、背中を押す……蹴るくらいがちょうどいいのかもしれません。潰してはいけないということへの不安もあるかもしれません。でも、潰れる時は潰れます。恐れずに、後を継ぐことにかけてみてもいいと思います。

 

充実感

「仕事の充実感はどこにありますか?」相談者に問いかけてみました。答えは「お客様に喜んでもらえること」でした。もし製造するということに興味が湧いていないとしたら、視点を変えてみることです。製造業ですので、もちろん作ることは仕事にはなりますが、作った商品をお客様にどう届けるのか。その商品でお客様が喜んでくれる顔をイメージできるかどうかだと思います。そのためには商品を知ることも大切ですし、今喜んでくださっているお客様の声を知ることから始めてみるといいと思います。

 

やらない選択肢

他でも、家業を継いでうまくいかなかったというお話はよく耳にします。その理由は明確です。それは「自分の意思で決めていない」ということです。言われるがまま、現状把握もしないまま、親から経営を引き継いでいる方が多くおられますが、それは大きな間違いです。家業を継ぐ前に必ずやるべきことがあります。まず、代表とはどんな仕事、どんな責任を負わなければいけないのかを理解をしてから引き継ぐことです。周りに経営者の先輩はたくさんおられるはずなので、教えてもらうといいでしょう。そして、決算書の分析です。今までどういう経営をしてきたのかを知ることです。後を継いでもうまくいかないとわかれば、「引き継がない」という選択肢もあります。