経営者の発想を大切にする 打越会計事務所 UCHIKOSHI ACCOUNTING FIRM
日々のこと

地域スポーツビジネス

2020.5.11

みなさんは地域スポーツに関心をお持ちでしょうか。B.LEAGUE の2019-20シーズンは5月の初旬まで行われる予定の試合が、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け3月27日にシーズンが終了してしまい、オリンピックも延期となり残念です。しかし、地域スポーツビジネスは今最も注目すべき成長産業と思っています。

 

これから伸びるスポーツビジネス

世界のスポーツ産業は2005年から2017年にかけて倍増し、10年でこれだけ伸びる産業はあまりないと言われています。ここ数年では、ラグビーやサッカーの観戦者数も増え、東京オリンピック開催なども含め、スポーツ関連の消費や投資マインドが向上してきています。日本のスポーツ庁もスポーツ市場規模を、現在の5兆円から2025年には3倍の15兆円に伸ばそうという目標を発表しています。ただ、「ファンだけが観戦して楽しめるスポーツ」ではこの発展はないに等しいです。

 

大切な資金

バンビシャス奈良を例にあげると、B.LEAGUEのクラブライセンスを維持するためには純資産基準があるのですが、2018-19シーズンの決算では債務超過が4000万残っており、2019-20はその解消が課題だったといいます。先日、スポーツビジネスの構想についてお話するために代表・加藤真治さんとお会いした際に、「経営者として資金調達をする仕組みをつくるのが一番の仕事です」とおっしゃっていました。資金を集めることによって強いチームづくりが行えると、加藤さんは代表としてできることを日々奔走しておられます。でも、まだまだ盛り上がりに欠けているのが現状。チームだけのがんばりだけではスポーツ産業は発展しません。そこにはやはり資金と周囲の支援も必要不可欠です。全国的にもスタジアムを核とした街づくりが盛り上がっていますが、奈良のスポーツを盛り上げるためには、私たち経営者もできる応援があるのではないかと思っています。

 

巻き込み方

私がスポーツビジネスに必要と考えていることは、地域の経営者の力です。例えば中小企業100人の経営者が100万円ずつ投資をしたら1億円集まります。そこに銀行や大手企業のサポートが加わればそれなりの資金が集まります。さらに経営ノウハウ、技術、遊休資産、そして社員のみなさんを巻き込めば、ヒト・モノ・カネが集まります。みんなが力をあわせれば、強いチームを作ることも、子どもたちや地域の方がもっと参加できる仕組みを作っていくこともできるのではないかと考えています。例えば、VRの技術でスポーツ観戦を「ビジネスの視点」「子どもの視点」などで楽しめるVRゴーグルをつくるなど魅せるスポーツをつくること。国、県、市と連携をとって、もっとたくさんの観客を導入できるアリーナをつくることもできるはずです。アリーナを作れば、そこを核とした街づくりができ、スポーツがツーリズムの一環にもなります。チームだけでなく、地域で活躍する経営者みんなでスポーツビジネスを発展させていく時代だと思います。どうでしょうか?

 

写真/バンビシャス奈良 ホームアリーナ